千葉市美浜区の動物病院|海浜動物医療センター

予防診療科

予防診療科とは

「予防に勝る医療はなし」という言葉があるように、日ごろからの病気の予防・早期発見は非常に重要であると言えます。ワクチンや定期駆虫などで病気の感染や悪化を未然に防ぐ。定期的に健診を受けることで、病気の早期発見・治療に努める。大切なペットの健康維持のため、病気にしない・させないためにも飼い主様ができることはたくさんあります。ここでは、全てのわんちゃん、ねこちゃんたちが少しでも長くそして元気に過ごすための様々なポイントをお話しいたします。

ワクチン

わんちゃんの狂犬病ワクチン

日本では狂犬病予防法により、生後90日以降のすべてのわんちゃんに狂犬病ワクチンの接種が義務付けられています。

わんちゃんの混合ワクチン

1度に複数の感染症の予防ができます。特に、致死率の高いジステンパーウイルス、パルボウイルス、アデノウイルス感染症の予防は非常に重要であり、飼育環境に関わらずすべてのわんちゃんに必要な予防接種です。

6種混合ワクチン 8種混合ワクチン
犬ジステンバーウイルス感染症
犬バルボウイルス感染症
犬伝染症肝炎
犬アデノウイルス2型感染症
犬コロナウイルス感染症
犬バラインフルエンザウイルス感染症
レプトスビラ・カニコーラ
レプトスビラ・イクテロヘモラジー

成犬へのワクチン接種

成犬になって初めてワクチン接種をする場合は、4週間隔で2回の接種をし、その後は毎年1回の接種が必要です。

仔犬へのワクチン接種

生後2-4か月の時期は、お母さん犬からもらった移行抗体(病気に対する免疫)が体にあります。この時期は、感染症にかかりにくいという利点はありますが、同時にワクチン接種をしてもその効果が得にくい時期でもあります。
この移行抗体がなくなる時期を待ってワクチン接種を行う必要がありますが、その見極めは難しく、個体差も大きいため、確実にワクチン免疫をつけるために2-3回のワクチン接種をする必要があります。

小児科

ねこちゃんの混合ワクチン

1度に複数の感染症の予防ができます。外に出かけるねこちゃんはもちろん、完全室内飼育のねこちゃんも感染リスクはあるため、かかさず接種しましょう

3種混合ワクチン 5種混合ワクチン
猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス)
猫ウイルス性鼻気管炎(ヘルペスウイルス)
猫カリシウイルス感染症
猫クラミジア感染症
猫白血病ウイルス(FeLV)感染症

成猫へのワクチン接種

成猫になって初めてワクチン接種をする場合は、4週間隔で2回の接種をし、その後は毎年1回の接種が必要です。

仔猫へのワクチン接種

生後2-4か月の時期は、お母さん猫からもらった移行抗体(病気に対する免疫)が体にあります。この時期は、感染症にかかりにくいという利点はありますが、同時にワクチン接種をしてもその効果が得にくい時期でもあります。
この移行抗体がなくなる時期を待ってワクチン接種を行う必要がありますが、その見極めは難しく、個体差も大きいため、確実にワクチン免疫をつけるために2回以上のワクチン接種をする必要があります。

小児科

ワクチンに関してよくある質問

Q.うちの子はお外に出ないのでワクチンは必要ないですか?

A.必要です。室内のみで生活している子は病気に対する免疫が弱い可能性があるためワクチン接種が非常に重要です。また、わんちゃんの狂犬病ワクチンは法律で接種が義務づけられているためきちんと接種しましょう。

Q.ワクチンを打ったら絶対に病気にかかりませんか?

A.100%とは言い切れませんが、高い確率で予防ができます。また、かかってしまった際の重症化を防ぐことが出来ます。

Q.ワクチンはいつでも打てますか?

A.体調の良い日に打ちましょう。病気の治療中や寄生虫感染がある場合、発情中、妊娠中、過去にワクチンで重篤な副反応を起こしたことのある子は接種ができないことがあります。

Q.狂犬病ワクチンと混合ワクチンを一緒に打てますか?

A.いいえ、接種には間隔をあけましょう。接種の順番によって開ける間隔が変わるため先生と相談しましょう。

Q.ワクチンの副反応が起こることはありますか?

A.はい、あります。副反応には様々な症状がありますが、命に関わるアナフィラキシーショックは接種後30分以内に起こるため、接種後30分程度院内待機をしていただくと安心です。また接種後、数時間から数日経過して症状が出るケースもあるため2、3日は安静でよく様子を見ていただく必要があります。

Q.前回ワクチンアレルギーが出てしまったのですが今後はどうしたら良いですか?

A.前回よりもワクチンの種類を減らしたものを接種するか、抗体検査をして抗体が十分ある場合はその年のワクチン接種を回避できます。対処法はいくつかありますので、先生と相談し、その子に合った方法を探しましょう。

フィラリア予防

フィラリア症

フィラリア(犬糸状虫)とは、動物の心臓や血管に寄生する細長い寄生虫で、蚊によって感染が広がります。フィラリアを持った蚊に刺されると、刺し口から幼虫が侵入し体内を成長しながら移動、最終的に心臓や肺の動脈の中で成虫になります。寄生した成虫によって血液の循環が悪くなると、心臓や肺だけでなく全身の様々な臓器に異常をきたします。治療が難しく、発見が遅れると死に至ることもあるおそろしい病気ですが、毎月の予防で100%防ぐことができます。

フィラリア症の主な症状

  • 元気・食欲の低下
  • 痩せてくる
  • 咳が出る
  • 呼吸が苦しそう
  • 動くと失神することがある
  • お腹が膨らんでくる
  • おしっこが赤くなる
  • 突然死(猫)

フィラリア症の予防法

わんちゃん

月1回のお薬か、年1回のお注射で予防が可能です。その年の予防を始める前には、必ず血液検査でフィラリアに感染していないかを確認する必要があります。
予防期間は、蚊が活動する気温の高い時期(4月~11月頃)が一般的ですが、近年、温暖化の影響や居住環境の変化により冬場も蚊に刺されるリスクが高まっているため、1月から12月まで毎月予防する‘’通年予防‘’が推奨されています。
月1回のお薬には、錠剤・チュアブルタイプ・スポットタイプなどいくつか種類がありますので、その子にあったお薬を選んであげましょう。

ねこちゃん

月1回のお薬で予防が可能です。背中に塗布するスポットタイプのお薬なので、飲み薬が苦手なねこちゃんもストレスなく予防ができます。
予防期間は、蚊が活動する気温の高い時期(4月頃~11月)が一般的ですが、近年、温暖化の影響や居住環境の変化により冬場も蚊に刺されるリスクが高まっているため、1月から12月まで毎月予防する‘’通年予防‘’が推奨されています。

ノミ・マダニ予防

ノミとマダニ

ノミ・マダニとは、動物やヒトの皮膚に寄生する小さな寄生虫です。公園の草むらや山道など自然の多い場所にはどこにでもおり、吸血により皮膚トラブルを引き起こすだけでなく、様々な感染症を媒介する可能性があります。室内においても感染リスクは0ではないため、普段お外に出ないわんちゃんやねこちゃんも毎月予防する必要があります。

ノミ感染症

ノミは約3mm程と小さいため見落としがちですが、毛の間に黒い小さな粒(ノミの糞)がみつかれば寄生している可能性が高いです。
吸血の際、ノミの唾液によってアレルギー反応が生じたり、仔犬や仔猫においては重度の貧血を起こすこともあります。
その他、瓜実条虫やヘモプラズマという原虫を媒介するとされています。

マダニ感染症

マダニは5~10mm程の虫で、成長段階や吸血の有無で見た目が大きく変化します。
大量寄生による貧血や犬バベシア症媒介のほか、昨今話題となっているSFTS(重症熱性血小板減少症候群)などの重篤な感染症をヒトに媒介することもあります。口器と呼ばれる部分を皮膚に刺し特殊な分泌物で固定して吸血を行うため、無理に引っ張るとその一部が皮膚の中に残ってしまうことがあります。もしマダニを見つけても無理に取ろうとせず、すみやかに受診してください。

ノミ・マダニの予防法

わんちゃん

月1回のお薬で予防が可能です。チュアブルタイプとスポットタイプから選べ、同時にフィラリアやお腹の寄生虫予防もできるものもあります。
予防期間は、フィラリアと同じく ‘’通年予防‘’を推奨しています。ノミは気温13℃あれば繁殖ができ、暖房の効いた室内では冬場でも吸血と繁殖を繰り返すため、一年を通して予防が必要になります。

ねこちゃん

月1回のお薬で予防が可能です。背中に塗布するスポットタイプのお薬なので、飲み薬が苦手なねこちゃんもストレスなく予防ができます。
予防期間は、フィラリアと同じく ‘’通年予防‘’を推奨しています。ノミは気温13℃あれば繁殖ができ、暖房の効いた室内では冬場でも吸血と繁殖を繰り返すため、一年を通して予防が必要になります。

避妊・去勢手術

避妊手術と去勢手術

避妊・去勢手術は、全てのわんちゃん・ねこちゃんが健康で幸せに暮らしていくためにとても大切な手術です。
手術により様々な病気のリスクを抑えることができ、また、発情に伴うストレスから解放されることで精神的に安定し、QOL(生活の質)を高めることができます。
避妊・去勢などの予防手術は義務づけられていないため、実施については飼い主様の意向を尊重します。手術のメリット・デメリットを正しく理解する必要があるため、手術をするか迷っている、詳しく説明が聞いてみたい等、お悩みの飼い主様はいつでもご相談ください。

  • 避妊手術で得られるメリット

    • 子宮・卵巣疾患の予防
    • 乳腺腫瘍発症リスクの低減
    • 望まない妊娠の予防
    • 発情ストレスからの解放
    • 問題行動の低減
  • 去勢手術で得られるメリット

    • 精巣・前立腺疾患の予防
    • 肛門周囲腺腫発症リスクの低減
    • 会陰ヘルニア発症リスクの低減
    • 発情ストレスからの解放
    • 攻撃性の低下
    • マーキングの減少
  • 避妊手術のデメリット

    • 麻酔リスク
    • 手術前よりも太りやすくなる
    • ごく稀にホルモン減少による尿失禁が見られることがある
  • 去勢手術のデメリット

    • 麻酔リスク
    • 手術前よりも太りやすくなる

避妊・去勢手術の適切な時期

どちらも生後半年以降の手術をおすすめしています。
発育が遅く生後半年を過ぎても乳歯がほとんど生え変わっていない子や、睾丸が下りきっていない子では、定期的に健診を行いその子の発育状況に合わせた手術計画を立てます。
女の子の場合、初回の発情を迎える前に手術を行うとホルモンに関連した乳腺腫瘍の発生率をほぼ0 に近づけることができます。また、発情を繰り返すごとに乳腺腫瘍の予防効果は少なくなります。

避妊・去勢手術の流れ

  1. 1.手術のご予約

    お電話または病院受付にて、手術ご希望の旨お申し出ください。
    手術日の仮予約と術前診察のご予約をお取りいたします。
    TEL:043(204)8181

  2. 2.術前診察・検査

    健康状態を獣医師がチェックし、術前検査を行います。
    検査後、手術に関する詳しいお話があります。

  3. 3.手術当日

    午前中に、お水とごはんを抜いた状態でご来院ください。
    獣医師の診察と手術の手続き後、お預かりとなります。

    持ち物:診察券、ご自宅にご用意があれば術後用のエリザベスカラーやウェア等

  4. 4.手術

    午前と午後の診察時間の間(12:00-16:00)に手術を行います。

  5. 5.お迎え

    避妊・去勢手術ともに、基本的に当日お帰りいただけます。
    お迎えのお時間はあらかじめこちらからお伝えします。

  6. 6.抜糸

    術後10~14日後に傷の抜糸となります。
    抜糸までの間は、ご自宅でエリザベスカラーやウェアを着用して過ごしていただきます。

仔犬・仔猫健診

身体も心も大きく成長する仔犬・仔猫期。当院では、わんちゃん・ねこちゃん共に、1歳を目安に仔犬・仔猫健診をおすすめしています。初年度のワクチンが済んだ後もきちんと発育が進んでいるか、ご自宅で歯のケアはできているかなど、全身のチェックを行うと同時に、仔犬・仔猫ならではの飼育上の悩みや疑問へお答えします。
予約制になりますのでお電話もしくは病院受付にてお申し出ください。

定期健診

わんちゃんねこちゃんは、ヒトの約4-5倍のスピードで歳をとります。若く健康な状態での検査データはその子の健康の基準となり、日ごろから身体の状態を知ることで病気の早期発見・治療に繋がります。5歳までは年1、2回、5歳以降は最低でも年2回の定期健診が理想です。健診内容や検査項目は、その子の年齢や健康状態によって変わりますので獣医師とご相談ください。当院では 毎年春・秋の2シーズンで健康診断キャンペーン期間を設けております。事前予約制になりますのでお電話もしくは病院受付にてお申し出ください。

歯科検診

歯周病は、わんちゃんねこちゃん共に最も多く見られる口腔内疾患です。3歳以上のおよそ80%が歯周病をもっているというデータもあり、若いうちからのケアが非常に重要であると言えます。当院では、年齢に関わらず全てのわんちゃんねこちゃんを対象とした歯科検診を行っており、検診結果により、口腔ケア指導や歯石除去などの歯科治療のご提案をいたします。歯科治療専門資格を持つスタッフによるデンタルケアも常時行っておりますので、ご希望の方は事前にご予約の上ご利用ください。

がん検診

スプーン一杯ほどの血液で、12種のがん(肝細胞がん、悪性リンパ腫、肥満細胞腫、口腔内メラノーマ、尿路上皮がん、血管肉腫、骨肉腫、扁平上皮がん、鼻腔腺がん、乳がん、肛門嚢腺がん、肺腺がん)の早期発見ができる、世界初のわんちゃんのがん検診システムです。

■検査の流れ

  1. 検査4時間前より絶食
  2. 診察
  3. 採血
  4. 検査センターにて解析
  5. 後日、担当獣医師より結果報告
  • 結果が陰性の場合 → 終了
  • 結果が陽性の場合 → 追加検査により確定診断・治療

事前予約制になりますので、ご希望の飼い主様はお電話もしくは病院受付にてお申し出ください。