産科/生殖器科
産科/生殖器科について
わんちゃんの妊娠適期診断や妊娠鑑定、助産指導、帝王切開まで幅広く対応しております。生まれた子犬や子猫の健康診断、子犬の狼爪や断尾・断耳処置にお困りのブリーダー様もご相談ください。
早期に避妊・去勢などの予防手術を受けていないわんちゃんやねこちゃんにおいては、高齢期に生殖器関連疾患を発症する確率が高くなります。特に女の子では、発症すると命に関わる疾患もあります。病気について知ることで予防手術の実施について考えるきっかけとなるかもしれません。
よくある質問
- いつ交配したらよいかわからない
- 交配をしたが、妊娠しているかわからない
- 予定日を過ぎたが生まれない
- 不正出血がある
- 交配をしていないのに、おっぱいが張ったり巣作り行動をする
- 避妊/去勢手術をすべきか迷っている
- マイクロチップを入れたい
- 生まれたての子猫を保護した
当院でおこなう主な検査
- 身体一般検査:触診をはじめ、乳腺や外陰部の状態など全身の確認をします
- 膣スメア検査:メスの交配適期の診断を行います
- 精子検査:オスの精子の数や運動性、奇形の有無を確認します
- 超音波検査:妊娠25-30日前後で受胎確認ができます
- レントゲン検査:妊娠50日以降で、胎児の頭数の確認ができます
- 血液検査:性ホルモン値測定や、各臓器の機能、妊娠による合併症の有無などを評価します
産科/生殖器科でよくみられる病気
子宮蓄膿症
子宮の中に膿が溜まる病気で、出産経験のない中高齢のわんちゃんによくみられます。発情後、ホルモンの影響で子宮内の免疫が低下する時期に外部から細菌が感染・増殖し、子宮内に蓄膿、毒素(エンドトキシン)が産生されます。主な症状は、元気・食欲低下、嘔吐・下痢、多飲多尿、陰部からおりものや出血、お腹が張るなどが挙げられ、進行すると敗血症や急性の腎不全により死に至るケースもあります。診断は、血液検査や画像検査を合わせて行い、手術による治療が必要となります。若いうちに避妊手術を行うことで100%防ぐことができる病気です。
難産(帝王切開)
様々な理由により自然に分娩が進まず介助を必要とする状態を指し、わんちゃんに多く見られます。胎児側の要因としては、少ない胎児数、胎児の奇形、胎位の異常などが、母体側の要因としては、体重が4kg以下のチワワやヨークシャテリア、プードルなどの小型犬種や、ブルドッグ、パグ、狆などの短頭犬種、重度の肥満や初産、高齢犬 などが難産のリスク要因として挙げられます。
出産予定日を過ぎても陣痛がない、陣痛が30分以上続くが胎児が出ない、胎児の体の一部が出かかったまま15分以上出ない、破水後1‐2時間以上経過しても胎児が出ない、緑色のおりものが出る(胎盤剥離)、母犬がぐったりする などが見られた場合は、母子ともに命の危険があるため帝王切開を選択するケースがあります。早期での帝王切開は、胎児の生存や発育に大きな影響を及ぼすため、実施のタイミングについては慎重な判断が必要となります。
会陰ヘルニア
肛門周囲の筋肉が痩せその隙間から腹腔内の臓器や脂肪が飛び出してしまう病気で、中高齢の未去勢のオスのわんちゃんに多く見られます。片側または両側に起こり、膀胱や前立腺であれば排尿障害、前立腺炎、腸管であれば排便障害など、飛び出ている部位により症状は様々です。物理的な異常であるため自然治癒することはなく、基本的に時間を置くほど進行します。排尿困難による急性腎不全や、ヘルニアの穴によって腸管が締め付けられる絞扼性イレウスを起こした場合、命に関わる場合もあります。直腸検査や画像検査による診断後、外科手術によって治療を行います。ヘルニア孔の大きさや周囲の筋肉の強度により術式は異なり、状況に応じ結腸固定術を同時に行うこともあります。また、全ての未去勢の症例で去勢手術も同時に行います。発生には雄性ホルモンの影響が考えられるため、若いうちに去勢手術を行うことで発生率を下げることができます。
産科/生殖器科で代表的な病気
- 子宮内膜炎
- 卵巣腫瘍
- 膣炎
- 膣腫瘍(ポリープ)
- 膣脱
- 外陰部形成不全
- 乳腺炎
- 乳腺腫瘍
- 潜在精巣
- 精巣腫瘍
- 前立腺肥大
- 前立腺腫瘍
- 偽妊娠
- 過期妊娠
- 妊娠中毒症