神経症状での来院が増えています

12月に入って、神経症状を示す犬の来院が増えています。特にてんかん発作と前庭疾患が目立っています。

てんかん発作のなかにはけいれんをせず、反対に脱力するタイプもありますが、典型的には四肢をばたつかせたり、身体がこわばったりする全般てんかん発作というタイプが多い。

はじめて目にする飼い主さんのなかには「この子が死んでしまうのではないか」とおもう方もいるほど、激しいけいれんを示すこともあります。

てんかんを疑う症状がみられたら、必ずご来院下さい。5分以上発作が持続するものを「重積発作」とよんで、早急に発作を止めなければなりません。

以下、てんかんについての簡単な話をまとめます。病院でてんかんの説明を受けたけど、むずかしい説明を覚えていない方もいらっしゃるとおもいます。ご参考にしていただければさいわいです(以下は獣医神経病学の専門医のセミナーや教科書の情報を、私が理解した内容です)。

てんかん発作は簡単にいえば、脳の過剰興奮によって生じるものです(正確には24時間以上あけて、2回以上発作を繰り返した場合にてんかんといいます)。

てんかん発作の症状はさまざまです。

一番わかりやすいのは「全般けいれんてんかん発作」で、四肢をつっぱらせるもの(強直性)、一定のリズムで四肢を動かすもの(間代性)があります。体や顔の一部だけがビクっとするタイプ(ミオクロニー)もてんかんのひとつです。

全般てんかん発作は脳全体が過剰興奮しているものですが、脳の一部だけに問題がある場合、焦点性てんかん発作を起こします。よだれが流れる、顔面がひきつる、空中の虫がいるかようのうに、口をパクパクさせる(実際には虫はいない)・・・これらもてんかん発作の可能性があります。

「原因は何ですか?」、飼い主さんはまずそうおもいます。てんかん発作の原因はさまざまです。

原因追求には(1)飼い主さんから、発作時の様子を詳しく伺う(動画があると非常に役立ちます)、(2)身体検査、(3)血液検査をおこないます。

これでも原因がわからなければ、脳の画像検査(MRI)・脳脊髄液検査をおこないます。

てんかん発作を疑う症状があったときには、様子見をせずに、まずはご相談下さい。「もう高齢だから、原因がわかったところで・・・」というお気持ちの飼い主さんもいらっしゃるとおもいますが、放置すると、悪化するケースもあります。どうぞ、ご来院下さい。

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