ドキドキすることがあります。それは本などを読んでいて、世界のあたらしい部分を垣間見られたような、そんな文章に出会ったときです。それはエッセイでも学術書でもパンフレットでも、文章が書いてあればなんでもいい。

福岡伸一さんの『ルリボシカミキリの青』(文藝春秋)から、ドキドキした一文を。

カラスアゲハを眺めているとその美しさに心がしんとする。つまっていた鼻が目の奥のほうまですーっと通るような快感。

そして福岡ハカセはいつも思う。美しい蝶などいない。蝶の美しさがあるだけだ、と。