はじめシンクちゃんは元気も食欲もなくとても心配しましたが、
数日の点滴・注射治療により、自分でも食べられるようになるまで回復しました。
退院後、シンクちゃんは家でも食事を食べてくれ、お父さんもかなり喜んでくれました。
しかし退院後数日でまた食欲が落ちてきました。
お父さんと再び今後の治療について話し合い、
その結果、毎日の通院注射治療と週一回の半日預かりでの抗癌治療をすることになりました。
それ以来、私は毎日シンクちゃんを診察しました。診察をしながら、お父さんと毎日お話をしました。
シンクちゃんが何を食べてくれたか、様子はどうかなどの家での様子のことはもちろん、
お父さんの昔話などもたくさん聞きました。
たまに一緒に来院されるお母さんや娘さんもとてもいい方で、
私はそのご家族と病院で会うことが毎日の楽しみになりました。
抗癌治療もはじめの2回はとても効果がありました。
リンパ節の腫れもやや収縮し、抗癌治療直後は食欲も普段より出るそうで、
お父さんもとても喜んでくれました。
しかし3回目の抗癌治療の日、シンクちゃんはいつもと様子が違いました。
検査の結果、リンパ腫が急激に進行したのです。
その日は抗癌治療を中止し、お迎えに来たお父さんにそのことを伝えました。
お父さんh悲しみながらも、「いつかはそんな日が来ると思っていました。」とその事実をうけとめられていました。
その次の日よりシンクちゃんは体重が少しずつ減っていき少しずつ弱っていきました。
それでもお父さんは来院されるたびいつも明るい様子で「昨日はいわしを食べました。」
「今日はマグロを好んで食べました。」などとシンクちゃんが食べてくれたものを嬉しそうに私に話してくれました。
私もシンクちゃんが何を食べてくれるかと一緒に頭を悩ませました。
治療に関してもいろいろ状態に合わせて行ってきましたが、腫瘍の進行を抑えることはできず、
そんな一進一退の状態が1週間あまり続きました。 |